ネットの片隅で起業講座(15)~フランチャイズで起業するメリットとリスク①~
コンビニやファーストフード、業務スーパーなどのフランチャイズという形態は一般的なものとなっています。
事業を苦労して一からつくり上げるよりも、既にある仕組みを使えることから、起業の際にはフランチャイズに加盟することを考える人も少なくありませんが、果たしてフランチャイズに加盟することは本当にメリットがあることなのでしょうか。
今回は、起業におけるフランチャイズのメリットやリスクを考えていきたい思います。
まず、フランチャイズに関連する用語を確認しておきます。
「フランチャイザー」は、本部です。つまり、セブンイレブンはフランチャイザーになります。
「フランチャイジー」は、加盟店です。
フランチャイズとは?
フランチャイズとは、フランチャイザーが一定のルールの元でフランチャイジーに自身のブランド名を使用させて販売をする権利を与えることを許諾する方式です。
この場合、フランチャイザーとフランチャイジーには資本関係はありません。
あくまでも契約関係です。
発祥は米国であり、フランチャイジーに一定のエリアの独占販売権を与えるというのが最初の形です。
一方で、「レギュラーチェン」というのは、自分の資本関係の元で営業店を出店する方式です。
現在は、どちらの方式も見られます。
マクドナルドもフランチャイズ化を進めていますし、コンビニの多くはフランチャイズです。
日本のフランチャイズの発展
一時期やたらにフランチャイズが持て囃された時期がありました。
ベンチャー・リンクという会社が、フランチャイザーと組んでフランチャイジーをガンガン募集したのです。
フランチャイズに加盟するにあたっては、一般的に「加盟料」が必要となります。
この加盟料は、フランチャイザーによって変わりますが、数百万円が必要となります。
それにも関わらず、当時はフランチャイズにとりあえず加盟すれば儲かると思っていた人も少なくなく、次々とフランチャイジーが集まったのです。
これがFCバブルです。
しかし、実際はそう甘くはありません。
事業を開始した後、思ったほど売上が上がらなかったり、「ロイヤリティ」というフランチャイザーへの定期的な支払いの存在によって、全然儲からないという加盟店が出てくるのです。
これにより、当然のことながら裁判沙汰になる訳です。
そして、FCバブルは終焉を迎え、ベンチャー・リンクは消えたのです。
フランチャイズで必要な費用
上記のように、フランチャイズに加盟するにあたっては、「加盟料」や「ロイヤリティ」という費用が発生することを知っておく必要があります。
また、それに加えて必要な費用が出てきます。
例えば、ラーメン屋さんのフランチャイズチェーンに加盟して起業するとします。
その際の、店舗の内装等の費用は誰が支払うことになるのでしょうか。
基本的には、起業者が自分で支払うことになります。
自己資金が無ければ、銀行からお金を借りざるを得ません。
フランチャイズに加盟すればリスクは少なくなると思っている方がいるかも知れませんが、起業に伴うリスクは当然ありますし、全ての費用を総合すれば普通に起業するよりもリスクは高いとも言えるのです。
フランチャイズに加入するメリット
一方で、フランチャイズに加入するメリットもあります。
ブランド力のあるフランチャイズチェーンは集客力が高く、これが非常に大きなメリットとなります。
もう一つ大きなメリットは、そのフランチャイズチェーンのシステムの一部になれるということです。
システムと言うのは情報システムに限らず、物流も含めたすべてのシステムを指します。
例えば、独立のコンビニを自身で開業したとしたらうまくいくでしょうか。
恐らく、お菓子はお菓子、お弁当はお弁当、飲み物は飲み物で個別で配送されるために、ひっきりなしにトラックが店舗の前に停まり、入り口を塞いでしまうでしょう。
ですから、独立のコンビニは成り立ちにくいのです。
一方で、セブンイレブンなどのコンビニはセンター物流であり、一か所でお弁当や飲み物などをまとめた上で配送されるため、配送の回数はずっとすくなくなります。
このように、システムの一部になれることが、フランチャイズチェーンのメリットなのです。
逆に、ブランド力が中途半端であったり、上記のようにシステムの一部となれないようなフランチャイズチェーンは、メリットが少ないと言えます。
フランチャイズで起業するメリットとリスク②に続く